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自然を活かし、活かせる環境政策のヒント~ 財団 金城浩二理事に聞く(後篇)~【レポート】

守り、育てる仕組みがたいせつ

有限会社海の種では、はじめに、「お父さん、お母さんにサンゴの生態を知ってもらう」観察会を企画しています。科学的に裏付けを取りつつ、サンゴの生態環境について、日常の言葉で説明することで、サンゴに対する理解度の向上と拡大を図っています。続けて、観察会に参加した両親が子供たちを連れ、実地観察を行い、「お父さん、お母さんにサンゴのことを教わる」という実地学習会につなげ、「親子でサンゴの生態を学び、サンゴのもつ恵みとすばらしさに気づく」機会を増やしています。

沖縄県内の主要な進学校のなかには、「子は親に学び、親は子に学び、互いを尊敬しあう」コンセプトに共感し、課外授業の一環として、同校の先生方、有志、生徒の父兄と本人を対象に、上記と同様の学習サポートにサンゴの苗床づくり体験を組み合わせた企画を提案した事例もあります。連休や夏休みなど、まとまった日程を利用したプログラムであるにもかかわらず、授業の修了後、海の種の施設を再訪した親子も複数見受けられたほど、自然(科学)教育の先進事例としても、注目に値する成果が挙がっています。

「サンゴとふれあい、身近に感じ、サンゴに関心を持つ人が増えることで、沖縄にふさわしいサンゴ保全の道が拓かれてゆきます。たとえば、沖縄公共政策研究所をはじめとする、沖縄社会に最適の政策(コンセプトと機能)を提案する、生活者・県民目線の専門組織が、サンゴの恵みや自然と人間の絆を社会に反映させ、結び付ける仕組み、サンゴ礁の現場に到着するまでのあいだにサンゴの価値に気付かせ、価値の深みを知らせる仕組みをつくりだしてゆくのなら、ひと真似ではない、沖縄に適合した環境政策の基本が生まれるのでは?」と、金城理事も、鋭く、情熱ある提言をしておりました。

行政の役割と目線がカギ

今回は環境政策を事例に、沖縄にふさわしい公共政策を創造するためのヒントを探ってきました。あえて一言で表すならば「守り、伝える価値の発見と創造」がカギになるのだと思います。そして、こうした価値を発信し、共有し、一人ひとりが実践に移す環境づくりを支援するサービスを提供することが、公共政策の重要な役割のひとつなのだと改めて実感させられました。

例えば、環境(自然)素材を活用した、あるいは伝統的な集落・民家に学ぶ工法、環境保全に配慮した設計・計画、コンセプトの提案をうながす等が考えられます。また、その素地づくりとして、沖縄の社会として自然や風土の保全に配慮した公共政策、例えば、沖縄の自然風土に合う、新たな公共工事の評価システムの構築が求められるでしょう。『環境にやさしい』・『持続可能な環境』・『自然と人間社会との共生』などのコンセプトのもと策定されたルールに基づき、チャレンジする個人や企業、そして自治体をも積極的に評価していく社会が実現すれば、そこにサンゴを生かす環境とサンゴを人間のために活かす環境が成立するのではないでしょうか。

(主任研究員 玉城有一朗)

※(海洋面積に占めるサンゴ礁の割合について)「前篇」にて、「サンゴ礁の広さは、地球の海洋面積の約0.2%にあたるといわれ」ると紹介しましたが、計算基準の採りかたによっては、約0.3%になるとの研究報告も発表されています。

「海の種」―サンゴはもちろん、海の生きものたちのふるさと-大海原に巣立った稚魚や幼生は、成長してもなお、育んでくれたサンゴを覚えていて、ここへ帰ってくるそうです。「海の種」―サンゴはもちろん、海の生きものたちのふるさと-大海原に巣立った稚魚や幼生は、
成長してもなお、育んでくれたサンゴを覚えていて、ここへ帰ってくるそうです。