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沖公研ニュース

当財団理事長安里繁信がうるま市で講演

2014年3月5日早朝、総合結婚式場ニュー三和(うるま市在)において、うるま市倫理法人会モーニングセミナーが開催され、講師として、当財団理事長安里繁信が「沖縄観光の現状と今後の展望」と題し、講演を行いました。

ヒト、モノ、カネそして情報の流れに支えられているという点に着目するならば、観光政策一般もまた物流の一環と位置付けることが可能だと前提したうえで、中小企業そして運輸・物流業の視点から、理事長・安里は、いわゆる「アベノミクス」の経済効果に分析と考察を行い、「その本質は為替差益、言い換えれば利ザヤの積み重ね。本来、経済活動の基礎となるべき国内の労働力とインフラストラクチャーの動きは、今もなお活性化していないのが現状だ。このまま大幅な財政出動を行ったとしても、中小企業と労働者の隅々に浸透して循環が生みだされることなくしては本質的な解決策にはならない。利ザヤ頼みの景気浮揚には必ず締めくくりがあるという厳しい見方に立ちながら、経済効果の続いているうちに、私たちが主体的に意識を変革し、前に進む力を発揮してゆけるかどうかが問われている」と指摘し、幕開けに一石が投じられました。

さらに、国境を越えた経済交流・物流体系と「グローバル・スタンダード」の尺度で測られる日本経済をとらえた場合、人間の力と感性、文化的価値といったソフトパワーが経済活動の原動力になると分析し、「日本の第二次産業とくに製造業では、専門職や特殊技能を持つ職人の確保が困難になっている。給与や待遇を高く設定したとしても、必要な人員がなかなか確保できない。顧客ニーズに対応するため、海外の労働力市場で人材確保に動かざるを得ない方向に環境が変化しはじめた。外から金融資本はもちろん人的資本を呼び込まなければ日本経済の循環と成長か見込めない状況だ」と全体的な見通しが示しました。

これを踏まえ、ソフトパワーの積極活用と地域ブランディングを融合させ、「自ら靴底を減らしながら市場を開拓し、ひろく皆様に沖縄の四季・自然の表情と人・文化を宣伝し、受け入れていただけるだけの素地を開拓すること。そして、沖縄が外に売りたい、買ってほしいコンテンツに資源を集中させるのではなく、入域客はもちろん県内客も進んで買いたくなるコンテンツを創り、自信を持って売り込む実践こそ、今の沖縄観光に求められている努力であり、創意工夫だ」と提言。

そして、観光をハブとした経済圏の構築に成功しつつある事例として、石垣市の取り組みを詳しく紹介するとともに、「巷間では、南ぬ島石垣空港の開港が八重山観光の起爆剤となり、島の経済が活性化したという見方が大半だが、物事の半面しか見えていない。成功の要因は、先ず、業界の垣根やしがらみを超えて、経済界が一致団結し、行政と連携して、八重山の内外にプロモーションを行い、ネットワークをつくり、物流が持続する仕組みが構築できたこと。新石垣空港の開港は、ヒト・モノ・カネ・情報の流れを活性化させ、経済の流れをより加速させたといえる。ここに至るまでに、地元の人たちが3年近く、自ら動いて、先方の経済団体から商工会まで、一歩一歩働きかけてゆき、将来を見すえて計画的に定期航路を敷設していった積み重ねが、相乗効果をもたらしたと見る方が実際に近い」と積極的な評価を提示しました。

沖縄観光のこれからの展望として、安里は「今日の沖縄経済にとって、資金が循環する仕組みづくりが自立への第一歩として重要だ。国内レベルでは一括交付金をはじめとする国庫補助や助成金、県外からの所得移転があり、海外までふくめると観光収入が資金源として注目に値する。このうち、国内レベルの補助金・助成金は自ずから限りがあると自覚する必要があるだろう。支援を差し伸べていただきながらも、感謝して、自ら主体的に進んでゆけるよう、私たちも自ら行動を変えるときを迎えている」と期待を込めた結論を提示しました。

講演を受けて開催された朝食会においても、引き続き、熱い議論や情報交換、交流が続き、実り多い朝のひとときとなりました。

「人・お金・物品・情報の循環と流通を踏まえた地道な地域づくりが成功のカギだ」と説く理事長安里繁信 「人・お金・物品・情報の循環と流通を踏まえた地道な地域づくりが成功のカギだ」と説く理事長安里繁信

「観光も物流も人間が主人公という基礎が共通している。会いに行き、話を聞き、仕組みを創ってゆく。靴底を減らして歩き回った積み重ねが、のちのち、地域活性化の原動力に転化する」と論じる安里に熱心に耳を傾ける聴衆。 「観光も物流も人間が主人公という基礎が共通している。会いに行き、話を聞き、仕組みを創ってゆく。靴底を減らして歩き回った積み重ねが、のちのち、地域活性化の原動力に転化する」と論じる安里に熱心に耳を傾ける聴衆。

講演会に続く朝食会の席でも熱い議論と交流が続きました。 講演会に続く朝食会の席でも熱い議論と交流が続きました。